57期

57期

「初打席そして最終打席」 野球部57期手記 (57期)


2014/07/13 橘高校戦9回代打同点打を放った57期 瀬尾真矢さんの手記です。
 

初打席そして最終打席

夏の大会最初で最後のあのひと振りは、忘れられない思い出として今も胸の中で輝いている。だが、あの舞台に立つまでには少し時間がかかった。
 

1年冬の体調不良による長期離脱、それに伴う2年夏のメンバー外、新チームになっても思うように出場機会が与えられない日々。野球人生初めて試合に出られない挫折を味わった。そんな調子の上がってこない自分に対し57期のみんなは毎日色々なことを言ってくれた。厳しい言葉も少なくなかった。時には自分の言動が誤解され、喧嘩したこともあった。「なんで俺だけにこんな厳しいんだ」と困惑していた時期もあった。でも必ず最後には、自分のためを思ってのことなんだと気づき、みんなとの仲は深まっていった。その頃から、自分の中での意識が少しずつ変わっていった。「みんなと1日でも長く野球がしたい」と。
 

そして迎えた7月13日(日)。9回表1死2塁1点ビハインド。この日一番のところで代打瀬尾のコールが告げられた。いつもならば緊張して結果が出せない場面。だが、あの時ばかりは不思議と落ち着いて打席に入れている自分がいた。そして相手投手の寒水君と対峙したとき直感で思った。「打てる…」。そう思えた理由は今でも分からない。ただあの時は自分が自分でないような気がしていた。ベンチのみんな、そしてスタンドにいる応援団のみんなの魂が乗り移ったのだろうか。初球、インローのストレート。思わずバットが出た。気づけば打球は右翼手の頭を越え、ふと見るとバックスクリーンの9回表のところには「1」の文字が点灯していた。スタンドのはち切れんばかりの大歓声、ベンチのみんなの笑顔や泣き顔。今でも目、そして耳に焼きついたままだ。
 

あの試合以降、多摩高のグランドを見るたび、胸がぎゅっと掴まれたかのように苦しくなる。
 

なぜ負けたのだろう。なぜ勝てなかったのだろう。答えのない問いかけをしている自分がいる。
だけどこれだけは確実に言える。人生で一番楽しかった瞬間はあの1時間51分だったと。自分の高校野球人生に対しての答えはあの1打席に詰まっていると。

 

57期のみんな、本当にありがとう。この23人で戦えたことは一生の自慢です。
58、59期のみんな、文句ひとつ言わずサポートしてくれてありがとう。来年は校歌聞かせてください。応援しています!
 最後になりましたが監督・先生・コーチの方々、OB・OG・保護者の方々、応援してくれた多摩高のみんな、そして両親と妹に感謝をしたいと思います。ありがとうございました!

 

 次のステージでまた目標に向かって努力していこうと思います。

 57期 瀬尾 真矢

同窓会ホームページ
平成26年度 第96回全国高校野球選手権神奈川大会
 
多摩高野球部ブログより
 http://blog.livedoor.jp/tama_baseball/archives/1709361.html
 
 ※ ご本人の許可をいただき、同窓会ホームページにも掲載させていただきました。





 

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です