巨大台風8号が沖縄に接近というニュースが流れる7月8日の東京は快晴。真夏の陽ざしが素肌を焦がすような天気だった。この日、防衛省市谷台見学を盛り込んだ、第23回お江戸散策を実施した。防衛省見学は、3週間前に見学者の住所、氏名、生年月日の申告を求められ、厳重なセキュリティの空気を感じた。9:30 省内に入ってからは、防衛省の係員の案内で巡回となった。防衛大臣、統合、陸、海、空各幕僚監部等国家防衛の中枢機関のある「庁舎A棟」やその他庁舎の説明を受けたあと、戦後、極東軍事裁判(東京裁判)の行われた「市ヶ谷記念館」へ入館。この建物は、新庁舎が作られるとき、取り壊しの予定であったが、日本歴史の中で重大な事件が関わっていることから保存され、記念館として残されたのである。館内には作家
三島由紀夫が自殺した「東部方面総監室」や陛下の休息所「旧便殿の間」などが保存されており、当時の様子を偲ぶことができる。江戸期、尾張藩上屋敷だったというこの地は、誠に広く、当時の大名屋敷の大きさを改めて認識した。敷地の東端部には、自衛隊が使用しているヘリコプターなどが展示されており、メモリアルゾーンには、自衛隊員の殉職者慰霊碑、終戦の日に自決した阿南陸軍大臣の慰霊碑などがあり、国家のために生命を捧げた人たちへ敬意を表さずにはいられない。市ヶ谷台の見学は2時間を超え、省外に出たときは、11時半を過ぎていた。 |
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