梅雨が明け、暑さ一段と厳しい斯様な季節ですが、英気を養う目的で六国峠ハイキングコースから天園ハイキングコースを経て鎌倉建長寺に至る遠足を企画しました。この歩道はよく整備された林間コースで、木陰になびく涼風が心地よく、暑さを凌いでくれることを期待して、8月1日10時、金沢文庫駅に集合しました。参加者は11名。皆、夏バテなんぞ吹き飛ばす意気込みで、歩き始め、20分ほどで、克っての名勝地能見堂跡地に辿りつきました。現在は当時の面影を記す解説板や碑を遺すのみですが木々の隙間から望める金沢の風景を眺めると、明治の初期までは瀟湘八景を思わせる水墨画の世界が眺められたのであろうと想像できました。この詩的な気分にしてくれる高台で、先月急逝された散策仲間の友を偲んで黙祷を捧げました。ここから次の休憩地、金沢動物園までは木陰に覆われた山道で、時折頬を撫でるそよ風がまことに清清しい。動物園は本日休園で、人気がなく、却って休息に最適なベンチが空いていたので、ここで早昼食を取ることにしました。それぞれお好みの食事を用意してきて、幼き時代の遠足昼食が再現できたことも喜びの一つです。腹拵えしてからは、皆パワーアッ プして、急な長い登り坂も一挙に登り上り、横浜市最高峰といわれる大丸山頂に辿り着きました。ここからの眺望はすばらしく、さわやかな涼風を受けながら東京湾、三浦半島方面を一望できました。この山を下った所から天園ハイキングコース入口までは、平坦な山道で、野草採取や鶯、山鳥などのさえずりを聞きながらの歩行は、皆、自然と歌声になりました。天園に入ると大きな樹木の根が山道に盛上がっていたり、少々危険な所も出現して、足元を注意しての歩行になりました。鎌倉カントリーゴルフ場を右手に眺めながら正面の岩場の道を登りきった所が大平山頂で、ここからの稲村ケ崎を望む景観は夕日に映えて美しかった。建長寺には裏山からの入山で、ここにある展望台からは、晴れていれば富士山が眺められるということでした。鎌倉五山第一の建長寺は、宋の禅宗様式の伽藍配置を取り入れていて、総門、三門、仏殿、法堂が一直線に並んでいて興味深い。増上寺から移築されたという徳川二代将軍秀忠正室崇源院の霊廟門は、煌びやかに改築されて、完成も間近い。国宝の梵鐘は鐘楼とともにその姿は堂々たる威容を感じさせてくれました。5時間を越える歩行でしたが、皆元気に完歩して、この度の夏季遠足はお開きとなりました。この後の反省会は横浜西口の居酒屋に移動して、近況報告や和気藹々の歓談で懇親を深めました。(文:石井義文) | |
次回をお楽しみに! |
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