広報同窓生

特別座談会企画:多摩高ために、同窓会ができること 第2回(同窓会報vol.25掲載 2019.05)

2019年08月18日(日)

多摩高のために、同窓会ができること 第2回

部活動OB会(縦)と同期会(横)のつながりで同窓会ネットワークを拡げよう




多摩高校時代の思い出、同窓会とのかかわり

柴野 昨年に続き、本企画の進行を担当させていただきます。今回は、部活動OB会幹事、同期会の幹事にお集まりいただき、同窓会活動の状況、学校や現役生のためにできることを話し合いたいと考えております。まず、自己紹介をかねて多摩高時代の思い出、同窓会とのかかわりについてお話ください。


                  














殿川 
同窓会長をつとめております。16期、写真部に所属していました。中学の頃からSLの写真を撮るのが趣味でしたので、暗室で現像できることが楽しみでした。暗室にいると近くでブラスバンド部のトランペットの音が聞こえてきたことを覚えています。
「行事の多摩高」ということでの思い出は、球技大会でバレーに夢中になったことです。生徒会の活動には参加するタイプではなかったので、まさか同窓会長になるとは自分自身も同期の仲間も驚いています。多摩高同窓会の職域部会「霞ヶ関会(中央省庁勤務経験者会)」で前同窓会長の安部さんにお声がけいただいてお引き受けいたしました。



椎名 剣道部OB会、多摩緑陽会会長をつとめております。
小さい頃、体が小さかったので、女子から「椎名くん、かわいい」と言われるのが屈辱でした。体を鍛えて見返してやろうと、中学で剣道をはじめると徐々に運動能力もついてきました。「よし!多摩高に入って、剣道をしよう!」と思って入学したのに剣道部がなかったのです。
そういうわけで剣道部を創りました。当時は大会や強豪校の情報もなく、ひたすら稽古に励む毎日で電車の中でも授業中も剣道のことばかり考えていました。私の青春は多摩高であり剣道部であったと思います。卒業後50年を経過しましたが、剣道部創部の精神を脈々とうけついできてくれた卒業生、そして現役部員に心から感謝を申し上げたいと思っております。
剣道の指導では、選手として活躍している子に目がいきがちですが、地道に努力している子への声かけが非常に大事だと思っています。
中学生の時、剣道の大会で他校の先生から、「君は七段になれるよ」と声をかけられました(当時は、まだ一級。現在、八段)。高段者になれるとは考えてもいなかった私にとって、その言葉が何か心に残って頑張ってこれたような気がします。また、「君は歳とってから大成するよ」と言われたことも覚えています。
部員の隠された可能性を本人が見つけ自らがそれを育てていくきっかけを作ってあげる、これが指導者、先輩の役割であると考えております。



北野 サッカー部OB会長、多摩高三田会(多摩高卒、慶應義塾大学進学者の会)の副会長をしています。サッカー部OB会は2年前に創部60周年記念式典を開催し200名が集まり、各期代表が寄稿した記念誌も作成しました。
年間行事として、毎年「初蹴り」としてお正月にOBと現役高校生で試合をしたり、現役生支援として強豪校と強化試合を企画しています。OBの中でも30代、40代の参加者が少ないことが悩みで、参加世代を絶やさないよう大学生世代ともLINEなどで交流しています。OB会のFacebookページもあり、頻繁に更新するようにしています。サッカー部OB会は「生涯現役」をテーマに「オーバー40(代)」、「オーバー50(代)」、「オーバー60(代以上)」、3チームの「多摩クラブ」を結成し年間を通じて試合をしています。
多摩高三田会は毎年日吉キャンパスで開催し、徐々に参加者が増えてきています。前回第3回は、日吉キャンパス内の国際学生寮を私の会社でてがけたこともあり、見学会も企画し、これからの大学のあり方、国際化に触れていただきました。
私の多摩高時代は、サッカー部ということで体育祭と球技大会が見せ場で、あまり自慢できる話はないのです。同期、OBで集まっても当時のバカ話に花が咲きますが、最近は、将来のこと、多摩高のこれからについて話すことができるようになっています。



堀内 40期、バトン部(現ダンスドリル部)です。ちょうど、40期の少し前から、外部の講師に指導していただいて、現在のようなチアダンスの大会に参加するようになりました。当時は1学年に15人ぐらいで、学年毎にチームを組んで活動し、2年生の終わりには引退でした。3年生では体育祭、主にCE(CreativeExpression)に専念していました。40期同期会の幹事をしています。前回の40期会に来賓として参加の安部さんに声をかけられたのが、本日参加のきっかけです。私も多摩高時代が楽しくて、大好きでしたので、家庭科の先生になろうと大学の家政学部に進学し、教員免許を取得し、多摩高の教員補助を務めたこともありました。その頃の多摩高生はチャレンジ精神が旺盛、活動的でした。
40期前後の代は働き盛りで多忙な子育て世代。私も小学1年になる子供がいます。
2016年に40期会を開催するべきか悩みましたが、恩師の方々の年齢も考えると早めに集まりたいということもあり開催し、結果約120人参加の大盛会。開催して本当に良かったと思っています。次回は2020年を予定しています。


森田 51期、目立ちたがり屋だったので、夏組の団長、野球部主将をつとめました。慶應義塾大学進学後も体育会野球部に所属しましたが、そこでは上のレベルを経験し、大学3年時に学生コーチという立場に転身しました。多摩高時代で印象に残っているのは、教科書にないことを教えてくれる先生です。自分の本来の授業を抜け出してそういう先生の授業を聞きにいったことを覚えています。
先月、卒業後10年目に、51期同期会を開催しました。早い人は家庭をもち、子育てをはじめている時期ということもあり、100人ぐらい参加を期待していましたが、60人参加でした。続けていくことで、参加者が増えていけばと思います。
私も多摩高が大好きで、野球部OB会、同期とよく集まっていますので、多摩高同窓会のお力になれたらと考えております。
現在、丸紅(商社)に就職して7年目です。英語力が重要だと感じています。海外の人に、自分の気持ちを言葉で伝えたいとおもうと意欲がわいてくると思います。


スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校に
殿川 英語力の話がでたので、多摩高が文部科学省から平成31年度スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校をうけたことについて、お話します。「科学的分野で国際的に活躍できる将来の人材」を育てよう、そのために特別なカリキュラムを実施していく学校に指定され、補助金もあります。具体的にはSkypeをつかって、海外の高校生とコミュニケーションはかるなどして実践的な英語力を強化していくようです。とても喜ばしいことです。
 
同期会の幹事決め
森田 高校卒業時に同窓会幹事を決めたのですが、今回の卒業10年目の同期会は卒業の時に決めた幹事以外の人が幹事となって開催しました。
堀内 私は卒業時に同窓会幹事を任命され幹事をやっています。40期でも幹事に加わってくれたメンバーもいますので、できる人が協力して幹事をしていくのが理想なのでしょうね。




 部活動OB会の状況 
柴野 今回参加いただいている野球部、サッカー部、剣道部は縦のつながりができていると思いますが、活動状況はいかがでしょうか?
森田 野球部OB会の事務局担当もしております。毎年2月の第1土曜日に行われる新年会には、野球部OBだけでなく、多摩高野球部を応援する同窓生が多数参加してくれていますので、ぜひ、皆さんも参加してください。
51期野球部は選手、マネージャで総勢18名いたのですが、久しぶりに全員が集まれる機会がありまして、感激で最後は駅ホームで多摩高校歌を大合唱してしまいました。
51期は長年、野球部監督をつとめた3期の故田中監督が最後に采配した期です。多くの方に慕われ、愛された監督でした。
北野 サッカー部OB会も20代~70代と幅広い年代がいますので、人集めの工夫はしています。先日20代、30代中心の試合を企画したところ、その年代が多く集まってくれました。
柴野 サッカー部、野球部ともに20代から40代の参加者少ないようですね。同期会からつながって、縦のつながりにも参加してくれる方が増えるとよいのですね。
椎名 部活動OB会と各同期の幹事が連携することにより、同窓会長が掲げる「同窓会ネットワークの構築」ができそうですね。
殿川 まさに、部活動OB会が縦のつながり、同期会が横のつながりを軸となるキーマンの方に拡げていただきたいです。


 
現役生の状況とOB会の支援
椎名 OB会の時に外部の方にお願いして高校生との合同稽古をしておりますが、多摩高生の礼儀、心づかいについて高い評価をいただいております。大変うれしいことであります。昔は先輩との接し方、挨拶の仕方など、細かく指導していましたが、今はそんなことしなくても、自然とできているからです。多摩高生は自分から気づきできる子がほとんどです。
柴野 部活動は、上下関係、礼儀を学ぶことも大事ですね。
椎名 部活動は良い成績を残すことも大事ですただ、私立の強豪校とは条件は違います。いい選手を集め、授業免除で練習をすることは公立高校にはむずかしいです。
野球部はどうですか?
もし、多摩高野球部が甲子園に出場することになったら、これは盛り上がるでしょう!
森田 中学生からは多摩高で野球をやりたい、多摩高の監督から指導を受けたい、親御さんにとっては野球も勉強もしっかり教えてもらえるという魅力的な学校、野球部のブランディングが大事です。
例えば「多摩高野球部に入れば海外へ野球留学が経験できる」として、良い選手が入学してくれるならば、OB会で支援していきたいです。
椎名 今の少年野球、サッカー、剣道も親子で頑張っているので、親御さんにとっても魅力的な多摩高になることが重要ですね。
森田 一昨年の夏大会で野球部は4回戦まで勝ち進み、テレビ神奈川の放送もあったので、かなり反響がありました。
盛り上がった時に情報発信するコンテンツも重要だと思います。これは良い選手をスカウトする際の武器にもなります。
柴野 学区制がなくなり神奈川県全域の中学生が入学可能になっていますから、魅力ある学校であることの情報発信は非常に重要だと思います。

同窓会を盛り上げるアイデア
森田 野球の予選は平日の場合が多いので、試合の様子をライブ配信すれば、興味をもってみる人、集まるOBも多くなると思います。
情報発信できるシステム、同期会(横のつながり)とOB会(縦のつながり)をつなげるための人材データベースなどのプラットフォームをつくれるとよいですね。まずは野球部OB会から取り組みます。
柴野 ある有名企業に就職希望でOB訪問の相談を受けたことがあります。2万人もいる多摩高同窓生の中にはその企業で働いている人がいるだろうとは思うのですが、ネットワークがないので紹介できないということがありました。
椎名 私は多摩高に来た際、古巣である剣道場に行き、50年前の自分に出会い、心が安らぐ思いを感じます。しかし、一般の同窓生はどこを訪れたらよいのでしょうか。旧校舎は残っていない。同窓生のための同窓会室があるといいなあと思います。
柴野 この座談会は多摩高の応接室をお借りしていますが、ここには、多摩高の歴代卒業アルバムが保管されています。多摩高内に卒業アルバムを見たりできる同窓生室があるとよいですね。




既存ネットワークを活かして
堀内 40期は2016年同期会時に120人参加のLINEのグループをつくりました。
同期の活躍をお知らせしたりしていますが、なんといっても次回の同期会開催の連絡がとてもスムーズになると思います。
柴野 同期会のネットワーク、部活動OB会ネットワークなど既存のネットワークを活かしていくことで同窓会ネットワークが実現できそうですね。

同窓会費、徴収方法
堀内 同窓会費の徴収は振込みだけですが、忘れてしまう場合もあるので、電子マネーを検討されてはいかがでしょうか。
殿川 現在は、コンビニ、郵便局の振込みのみです。多数の寄付をいただいている世代が高齢化しているので、財源不足の対策も検討して行く必要があります。そういったことを考慮すると若い世代にもご協力いただけるよう支払いのあり方等も検討する必要があります。

学校と同窓会との信頼関係
柴野 ところで学校と同窓会の現在の関係については事務局長の安部さんいかがでしょうか
安部 学校と同窓会の信頼関係が強くなっている話をさせていただきます多摩高の特別授業として、大学の先生を迎えて現役高校生に講義していただく企画があります。担当の先生から、同窓会経由でどなたかお願いできないかという相談をうけましたので、候補の方、6人にお願いしてみました。皆さんご多忙にもかかわらず快諾してくださいました。卒業生の母校に対する思いはとても熱いと感じました。
また、担当の先生も喜んでくださり同窓会への信頼もますますアップしたと思います。

若い世代の参加を
殿川 最後に、特に若い方に同窓会に参加してほしいです。
久しぶりの再会する人はもとより、多摩高出身という共通点があるわけですから、初めて話す人ともすぐに打ち解けられ、話題は尽きないです。

柴野 多摩高同窓会をもりあげていくためには、若い世代の力が大切ですね。ありがとうございました。多摩高の良さを伝えていく情報発信コンテンツ、また既存のネットワークを活かしてネットワークを拡げていくことを検討していきましょう。各同期会、部活動OB会にもご協力いただける方、よろしくおねがいします。




 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です