52期

52期

「All for all」 主将_川端洋祐 多摩高52期

 

「All for all」 52期主将・川端洋祐

あれからもう何週間か経ちました。
「引退」・・・この言葉を聞いてもまだあまり実感がありません。
ただ今では、1日の練習を終えたあの満足感や心地よい疲れが懐かしいものになっています。

また、ちょうど1年前新チームになった当初のことを思い出すと本当に昔のことのようです。
チーム方針の変化に戸惑いながらあの燃えるような太陽の下でゼイゼイ言いながら練習をした去年の夏。
新チームの主将になった僕は最初は戸惑うばかりでした。
何がチームにとって足りないのか? どうやってチームの雰囲気をつくってゆくのか?
約2年間、前主将の森田さんの後ろ姿を見てきましたが、やはり分かったのは主将の苦しみは主将になって初めて分かるということです。

僕は少年野球でも中学野球でもどちらかというと引っ張ってもらう側の人間でした。そんな僕が高校でいきなり主将になったので戸惑うのも無理はなかったかもしれません。

しかし、言い訳をする訳にもいきません。まず、僕は絶対に自分が苦しんでいる所を見せないと決めました。
「動かざること山の如し」ではありませんが僕はドンと構えることこそ、主将の責任だと思っていました。
しかし、自分の弱い部分を浦谷監督はしっかり見てくれていました。主将になってすぐに言われたあの言葉は今でも心に残っています。

「お前はお前の正しいと思うことをやりなさい。私はそれにすべて賛成するから。」

正直、僕はこんなに信用されていると思っていませんでした。だからこそ、あの言葉は本当に嬉しくて、主将としてやっていく自信がそこで生まれました。

思えば亡き田中監督も、当時下級生の責任者だった僕に「お前は新チームのキャプテンやるんだろ?お前は野球がうまい訳じゃないけれど背中でチームを引っ張っていけ。」

という言葉を残してくれました。

野球部で過ごす中で1番学んだことは「野球はみんなでやる」ということ。
みんながみんなを信頼し、感謝し、苦しい時は一緒に苦しみ嬉しい時は一緒に笑う。それが高校野球の姿であるとともに僕が目指していたチームです。

よくOne for all、All for oneといいますが、僕にとっては
All for all、「みんながみんなのために」が1番大事なことだと思います。

僕が主将としてやってこれたのも仲間たちの信頼があったからこそです。
みんなが僕を主将にしてくれたと思います。こういった仲間たち、また応援してくださった多くの方々、浦谷監督、先生方、そして天国にいる恩師である田中監督、本当にありがとうございました。

本当はもっと勝ち進んでこの感謝の気持ちを伝えたかったです。
それを考えると少しは悔いがありますが僕はほとんど悔いはありません。
桐蔭は強かったです。しかし、僕達は今までやってきたこと全部をあの試合にかけました。僕達がやってきた証は全部グランドに置いてきました。

また僕らの熱い思いは、応援してくださった皆さんにきっと届いていると思います。僕らそれだけで充分、嬉しいです。
この熱い思いを受け継いだ後輩達が今もきっと必死に練習しています。
今後とも多摩高野球部の応援よろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました!

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