53期

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早慶戦を観戦して①  多摩高53期

早慶戦を観戦して①

私は「早慶戦を」観るのが初めてで、さらに大学野球を生で観るのも神宮球場に行くのも人生初の経験だったので少しわくわくしていました。スタンドに足を踏み入れると、そこから見るフィールドは高校野球と違った景色がありました。人数の多さ、練習の効率の良さ、技術…。真剣に見てこの目に焼き付けないともったいない気がしました。このような良い経験はこの先ないと感じたので、試合中私はスコアをつけました。スコアを書きながら感じた球場とスタンドのお客さんの歓声は早慶戦だけあって素晴らしかったです。
 
しかし、私が一番心に残ったものは、球場で感じたものではなく家に帰ってから見たその試合の中継からでした。そこには両校の四年生の熱い表情がありました。九回裏、早稲田の攻撃で出てきた代打はほとんどが四年生で、その全員がちゃんとヒットを打っていました。そのかいあってこの回で早稲田は三点を追加し、二点差にまで追いつめました。打った選手を映した画面にはベース上で涙ぐむ選手の姿がありました。
きっと打席上では四年間の大きな思いがこみ上げたことでしょう。心を打たれました。さらに、代打や代走で選手はこの大会でまだ一度も出ていなかった選手だったそうです。そういう姿を見て、「最後にかける思い」がすごく伝わってきました。勝てば優勝が決まる試合でした。もしかしたら人生最後のバッターボックスだった選手もいたかもしれません。

  早慶戦がいかに大きなものなのか、そしてなぜ日程の最後に行われるのか、わかった気がします。「かける思い」という大きなものをこの目で見れた、すごく意味のある日でした。また、多摩の選手の中から将来あの場でプレーする選手がでるのかなと思うと、わくわくする気持ちが半分、寂しい気持ちが半分といった心情です。 

松田のぞみ(2年)

2009年11月 多摩高野球部ブログより転載


 

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